種子島で1年間を過ごす「宇宙留学」が凄い。ウミガメ放流、芋植え、ロケット打上げetc…
「幼少期を田舎で過ごしてみたかった」「都会しか知らない我が子に、大自然を味あわせたい」ということで、ちかごろサマーキャンプや自然体験イベントなどが人気なんだそうです。
実は、われらが種子島にも山村留学というのありまして、宇宙に一番近い島ということで「宇宙留学」という名前になっています。
この記事ではその「宇宙留学」についてご紹介します。
種子島「宇宙留学」ココが凄い
1年間、島民として生きる
いわゆるサマースクール的な短期間ではなく、本気で1年間滞在です。島に住民登録もしていただきますし、保険証も持参です。1年間、島の学校に通い、島民として生活します。
一般家庭にホームステイ
公募から審査を経て選ばれた種子島の一般家庭で暮らします。各家庭ごとに、原則2人の留学生が同居するため「里親&同年代と一つ屋根で暮らす1年間」となります。
携帯、PCは持ち込めない
それどころか、保護者と電話できるのも決められた曜日のみ。気軽に連絡がとれるご時世だからこそ「そうしない」。 離島で出会うことになる同級生と共に、大自然の中で自立して生きることになります。
ちなみに、連絡できないことについては、子供よりも保護者の方のほうが寂しがるケースが多いらしいです。
制度詳細は自治体HPで
費用面や条件などは、実施している南種子町HPにてご確認ください
留学生を待ち受ける島ぐらしの数々
ウミガメの放流
あまり知られていませんが、種子島はウミガメの産卵数で全国TOP5に入る場所です。地元の小学校で孵化を行っており、自分の手でウミガメを放流するイベントがあります。ヨチヨチ歩きながら波間に消えていくウミガメに癒されます。以下はウミガメ放流イベントの1シーン(1:30辺りからが見どころです)
サツマイモ植え&掘り
御存知の通り、種子島はさつまいもの産地として有名でして、小学校のイベントに「いも植え」「いもほり」が存在します。僕が通った小学校にもありましたけど、自分で掘って焼いた芋は、そりゃーうまいですよ。都会と違って「植えるとこからスタート」なのがポイントですね!
ロケット打上げ
ご存知の通り、種子島には大型ロケットの打上げ施設がありまして。年に数回打上げがあるので、見学することができます。「バリバリバリ!」という独特の音は、テレビでは味わえない迫力です。
また、夜間打上げの場合は、打上げの瞬間だけ周囲がパーッと明るくなって幻想的ですよ。
夜間打上げの様子はコチラ
当然ながら海
GWあたりに海びらきがあり、9月くらいまでは泳げます。バッチリ日焼けします。
なぜか相撲
奉納相撲という文化がありまして。神様への感謝を込めて相撲をとるわけです。これが地域イベントとして根付いているんです。都会で普通に過ごしてたら、一生相撲なんてとらないですよね!
そして別れ
最初からわかっている事だけれど、留学は1年間。共に過ごした仲間たちとも、3月には別れなければなりません。
(画像は「横浜烏賊人 in 種子島」さんより)
しかし、その経験は未来へとつながる
なんと、南種子町で開催された成人式に「宇宙留学生」が参加しました。そう、小学生だった子どもたちが、ふたたび種子島にやってきたのです。
(画像は南種子町成人式動画より)
また、元宇宙留学生のミュージシャンが、島で演奏したりなんてことも・・・。
そう留学期間は1年だけど、その日々は本人の中に、ずっと残り続けるわけです。幼かった頃に、なぜか南の島で1年暮らしてた事があったなぁって。
日焼けした、でも面倒見の良い人達がいて、ぎゃーぎゃーうるさい島の同級生が居て。貸し切りみたいな海で泳いで、むせ返りそうな草の臭いの中を、テクテク歩いて通学して・・・「同じ日本の違う日常」が、ずっと残り続けるのです。
そんな経験を、人生に残してあげられるのが「宇宙留学」です。
よくある勘違い
山村留学に興味を持った方に、ぜひ意識していただきたいのがコチラ。
矯正プログラムではない
問題行動を改善するような「駆け込み寺」ではありません。人生の経験値を広げていただくためのプログラムです。
保護者側も子どもも、自立が求められる
週に1度しか連絡がとれませんし、種子島での生活は里親の管理に委ねられます。保護者側のほうが寂しさに耐えられなくて1年をまたずに終了するケースもありえます。
逆に、保護者の意向のみで、子どもの希望を無視して強引に送り出してもトラブルになります。保護者と子ども両方の気持ちをすり合わせることが大事ですね。
保護者滞在時にオススメの宿
保護者が島を訪れたり、種子島へと下見に行く際に宿泊する施設は沢山あるのですが、個人的に南種子町でオススメするのは、以下の宿です。
いずれも管理人が自費で宿泊し、料理を食べた上で、心からオススメできます。
ホテルサンダルウッド
島有数のリゾート感ある建物で、楽天トラベルでも高評価。ロケット打上げの撮影クルー等、旅行者のリピート率も高いようです。島の特産である地鶏「インギー鶏」が食べられる数少ない宿です。
<紹介ページはコチラ>
島宿HOPE
島の観光スポットである千座の岩屋にほど近く、ファミリーからサーファーまで人気の宿です。島外で飲食業に携わっていたオーナーが移住して始めた宿で、料理にも創意工夫があり楽しめます。
<紹介ページはコチラ>
留学中に通う小学校
種子島の小学校の写真を、島の出身者向けにまとめています。1校につき数枚しかありませんが、なんとなく学校の雰囲気を掴んでいただけると思います。
「南種子町」にある小学校が、受入れ校となります。
<島内の小学校中学校一覧はこちら>
主催:鹿児島県南種子町
鹿児島県にある離島、種子島の南種子町が、宇宙留学の主催自治体となります。
毎年9月前後から、来年度の留学生の募集を始めており、最近は倍率もどんどん上がっているようです。気になる方はこまめにチェックしておくことをオススメします。