島巡りで出会った高校生と、彼が所属する種子島レオクラブなる所のお話。今回は長文です。「ふむふむ、こんな場があるんだなぁ」と、ご自分が高校生の頃と比べながら読んでいただけると、面白いかもしれません。
■電話一本で登場したのは・・・
中種子のアイショップで、ロボノコスプレの人を見かけまして、その時にスタッフ側として高校生が居たんですね。その高校生は、西村くんといいます。
種子島そだちを見てくれているようで、名刺交換をしました。そう、高校生だけど名刺もってるんですね。種子島に名刺持ってる高校生が居るなんて思わなかった。そしたら、名刺に種子島レオクラブ会長とか書いてある。
僕はライオンズクラブとかレオクラブを知らなくて「なんか名前聞いたことあるなぁ」くらいの感じだったのですが、マレーシアにも行ってきたという話を聞いて「へぇ、種子島からマレーシアにいってきた高校生というのは切り口として面白いなぁ。」と思ってました。
その場はそのままお別れし、ぼくは島めぐりへ。
ところが、翌日にトッピー乗り場でバッタリ再会。
これは、面白い縁だと思い、彼のマレーシア話を聞いてみようということに。すると、彼が呼びたい人がいると・・・彼の電話で登場したのは、西之表市の丸田市議でした。高校生がケータイで市議を呼び出す、なんだこれ。
しかしながら、丸田市議は、議員として登場しているわけではなく、西村くんの所属する種子島レオクラブの顧問というか、立ち上げ人というか、議員じゃない立場での登場とのことで、以後は「丸田さん」と記載します。
■学校の外にある経験
で、種子島レオクラブというのは、子ども会などが母体となった、島内のボランティア活動などをやってる中学•高校生メンバーによる団体ということなんですね。
具体的には・・・
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道に植えてあるハイビスカスや、海岸の清掃とか、鉄砲祭りの関係のイベント運営スタッフとかから始めて、最近は市民体育祭などの大きな案件も話がくるようになったらしいです。市民体育祭でやったクイズイベントは、企画から運営まで彼らの手によるものだそうですよ(市長から感謝状もらったらしい)。
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ここまでだと「へぇーボランティアかー」で終わるかと思うのですが、面白いのは「これが学校の活動ではない」という所です。
ちょっと思い出してください、自分が高校生の時を。
[BOX]- 学校とは関係なく
- 中学生&高校生でチームになって活動して
- しかも年に一度の地域の大イベントでの企画・運営を任される。
自分が高校生の時に、できそうですか?ぼくには、ちょっと無理そうです。
学生だけど、学校の意思とは別に、社会と関わる。これって結構すごいと感じました。
だって、活動費用の管理(現在、会費は無料でライオンズクラブからの支援のみで運営)とか、リハーサルとか、イベント実行の段取りとか、全部自分たちでやるんですよ?しかも自分の意思で。
イベント実行というのは、やる内容と時間割決めるだけじゃ終わらないんですよね。
[BOX] 時間が押した時にどうするかの想定とか、人が参加するイベントには事故リスクの想定と対策とか、
細かいところだと椅子や機材は足りるのか、
足りない時はどこからもってくるのか?
そもそも買うお金はないぞ・・・など、[endBOX]
とにかく大変で、当然ながら中学高校の授業に、こんなのは出てきません。
しかも「それだけ頑張ったから上手くいく」なんて保証は、どこにも無い。むしろ、完璧に出来る事の方が少ない。きっと失敗して悔しい反省会もした事でしょう。
西村くんの話し方からは、そんな「いろいろ経験しただろうという芯の強さ」を感じました。
失礼ながら、別にしゃべり方が上手なわけじゃないんですよね。「多少のことでへこたれないだろうな」って感じがするのです。
で、レオクラブのFacebookページとかみると、世界の食料問題に対する講義をうけたり、献血キャンペーンの呼び込みボランティアをしたり、上級救命講習を受けたりしてるわけです。
(公式facebookページより:世界の食糧問題を勉強するレオクラブの皆さん)
なんか、僕は勝手にわくわくしてしまいました。
世界の食料問題を聞いて、食料自給率100%を超える島(中種子なんて500%超えてるのですよ!)に住む彼らは、何を思うんだろうか?
献血キャンペーンの呼び込みをして、陸路で血液が運べないこの島に住む彼らは、離島医療をどういう目で見るんだろうか?
きっと、ぼくが高校生だった頃とは違う視点で、島を見ることができるんだろうなぁ。
そんなことを思う僕の目の前で、西村くんは自分なりの考えで、島の雇用とか少子化の話とかを、正面から丸田さんに話しているわけです。「高校生が考える程度の事なんて」と思う方もいるでしょう。しかしながら、自分が高校生の時にこういう事、できましたかね?
なんか、時代はすごいことになってますよ。おじさんビックリですよ。
ちなみに、高校3年生の西村くんは、今のところボランティア系統が強い大学の受験を検討しているそうです。そこで、自分とは違うボランティアのやり方、考え方を勉強して、いつかは島に戻ってそれを活かしたいと語っていました。
(公式facebookページより:種子島サンセット車いすマラソン大会の受付ボランティア)
■種子島そだちが、伝えたいこと
さて、ここまでひっぱりながらも、実はぼくが伝えたいのは「島にすごい高校生がいるぜ!」って事ではありません。世界の食料事情を勉強したから偉いとか、救命講習を受けてるからすごいとか、ボランティアしようぜとか、そういう事でもありません。
じゃあ何か?
島の子供が「自分の意思で地域と絡んで、学んで、挑んで、失敗して、でも前に進もうとする」そんな体験ができる環境が、いま、島に出来てるという事実が凄いって事です。
だって、この環境がある限り、おそらくこんな子供達がまだまだ育ってくるんですよ。
自らの意思で動く子供が、とんでもない伸びを見せるってことは、学校の先生なら心当たりがあるのではないでしょうか。
もうね、これに比べたらマレーシアに交換留学制度で行ってきた話とか、今度でいいです(笑)
西村くんを凄いなぁと思うほどに、僕は、この環境を組み立ててきた丸田さんの狙いや想いに興味が湧いてきました。
なぜなら・・・誤解を恐れずにいえば、島の中で「ボランティア団体」とか言っても、胡散臭いイメージで見られそうじゃないですか。
たぶん宗教がらみじゃないかと見る人とか、いろいろ言われると思うんですよ。それが分かり切ってるのに、あえてそれをやり、成果をだすようになるまでには、きっと生半可じゃない苦労と信念があったはずです(勝手な予想)。
ということで、後半はレオクラブの仕掛け人(?)である、丸田さんのお話です。