【プチミステリー】島主が行方不明になった「馬立の岩屋」に行った時のお話

有名な千座の岩屋とは対照的な、ひっそりした隠れ家的な海岸に大きな岩屋があります。

この岩屋は「馬立の岩屋」といいまして、なんでも「犬神使い」でもあった種子島の島主が修行に使っていた場所だととのこと。しかも「ある日この岩屋の中で島主が行方不明になり、馬だけが外に立ち尽くして居た」というのが名前の由来という、ちょっと怖い伝説がある場所なのです。

僕、2012年の夏に帰省した時までその由来を知らなくって、岩屋の前にある立て札で「へぇ~そんな場所あったんだ!」とか思ってたわけです。

夕方なのもあり、僕の他に人がほとんどいない。この日は実家に戻る予定だったので、写真をぱしゃぱしゃと撮影して、そそくさと中種子市街方面に移動することにしました。

ところでこの岩屋、お世辞にも「アクセスが良い」とはいえないのです。何がって道の斜度が凄い。島の人なら「ちょっと走りにくい道だのう」くらいですが、都会から来たら「え?これホントこの道でいいの?」というレベル。

きつい斜度を、カブ(もちろんローギア)でブンブン言わせながら、登っていきます。よし、あと50mで75号線(東海岸の主要道路)に戻れる!

ガシャッ!!シャゴシャゴシャゴッ!!

・・・カブのチェーンが外れた∑(゚д゚lll)

経験した人は少ないと思いますが、カブもチェーンが外れます。そして自転車みたいには簡単に戻らないのです・・・。

あたりはセミの鳴き声。通るクルマは無く、夕焼けも消えていきます。しかたなく僕はカブのギアをニュートラルにして、75号線にむかってカブを押し始めました。

 

75号線にいけば、きっとなんとかなる。

と、おもったのですが現実は甘くなく、75号線でさえもクルマが通らない(お盆だからかもしれない・・・)。待っていても蚊に刺されるだけなので、しかたなく僕は市街地に向けてカブを押していきます。市街地までまだ数キロあるはずだ・・・。

・・・種子島カントリークラブ前を通過。まだ誰もこない。

・・・増田のアンテナ基地を通過。まだ誰も・・・前からクルマのヘッドライトが見えま・・・したが、曲がって行ってしまいました。なんという絶望。

などと苦笑いしている間に下り坂になり、自転車のように下ることができそうです。僕は迷わずカブにまたがり、地面を蹴りました。(※外れたチェーンが絡まり事故になる可能性があります。真似してはいけません)

汗を吹き飛ばす夕方の風にまみれながら、考えました。下り坂がある以上、その先には上り坂が待っているはず。どこかで民家を見つけて、工具でも借りないと何も解決しない。

いやいや、もっとよく考えるんだ。仮に民家に誰も居なかったら、下り坂の勢いが消えて、また手押しに逆戻りしてしまうじゃないか。
すこしでも最悪の自体を避けるために、明かりが付いている民家が見つかるまでは、この下りの勢いを維持していくべきだ!確実な家に出会うまで我慢だ!

民家を幾つかスルーした後に、右手にうっすらと見えてくる家の明かり。近づくにつれて、大きな庭がある家だとわかります。

・・・お寺でした。

お盆の法事らしく、人があつまり、温かい灯りがついています。僕は迷うこと無くハンドルを切り、お寺の前にカブを止めました。

で・・・お寺の方と近所のじいちゃんに市街地から修理屋さんを呼んで頂いて事なきを得たのです。

修理屋さんを待ってる間に、近所のじいちゃんと世間話をしました。

爺:今日はどこ見てきたんだ?

僕:いまちょうど馬立の岩屋に行って来た帰りです。

爺:ほほう、この寺はな、その馬立の岩屋で消えた島主様の位牌をまつっとるんじゃよ(ニヤリ)

僕:え・・・( ゚д゚)

以上。馬立の岩屋に行った帰りに、行方不明になった島主ゆかりのお寺で助けていただきました、というお話でした。いやぁ、なにかの縁ってあるものですね。

修験道・犬神使いの第十代島主、種子島幡時さまアリガトウございます!!

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■馬立の岩屋

種子島東海岸の海岸洞窟です。行くまでの道が結構スリリングで斜度が凄いですので、レンタカーで行かれる方はご注意ください。このあたりの海岸は地元民の海水浴スポットでもあるようです。
<場所はこのあたり>

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