全国の離島が集まる「アイランダー2012」レポ

こんなイベントがあるんですね~。アイランダーとは「全国の島々が集まる祭典」として離島の特産物や観光資源をアピールする一大イベントで、国土交通省が主催しております。

ということでアイランダーに行ってきました

2012年は12000人の来場があったということです。 以前に開催された宇宙博も池袋だったのですよね。サンシャインまわりに離島好きな方がいらっしゃるのでしょうか。ありがたやありがたや。 さて、今回は2日間の日程だったのですが、僕が訪れたのは2日目の午後。イベント終了も近い頃です。

会場はすごく賑わってまして、種子島のブースは屋久島と同じ区切り。僕が行った時には中種子と南種子の役所職員の方がいらっしゃいました。またこれがね、いわゆるヨカニセ&ナイススマイルなのですよ。記念撮影してご紹介したかったくらい。 種子島からは・・・

  • 安納芋
  • 安納芋グラッセ
  • インギー鶏
  • スコール&ヨーグルッペ
  • 赤米

などなど、素敵なアイテムたちがPRされていたようで、僕がお邪魔した時点では、ほぼ完売とのことでした。やったね! 中でも安納芋グラッセは最近の新兵器との事で、今後の活躍が期待されます! 特産品というのは、地元のおみやげとして広めようにも、そもそも地元に人が来ないような島では拡散に限界があり、このようなイベントや郷土ショップの取り扱い、郷土居酒屋などでの紹介などでジワジワとアピールしていくことが重要だと思いますので、素晴らしい取り組みであります。

離島も戦える「お取り寄せ」というマーケット

参考資料として、「おとりよせネット」というサイトさんが調査したデータの中に「お取り寄せ歴が長い人は、お取り寄せしたことがない人よりも2倍、物産展に足を運ぶ」というものがあります。 (2011年発表の「おとりよせネット ユーザーアンケート調査まとめ」PDFより引用) ※上記グラフの5年以上、10年以上は「おとりよせ歴」を指します。 お取り寄せするひとは、物産展に「新しいうまいもの」を探しに来る傾向があるという感じですね。 お取り寄せしていただくなんて、非常に有難い事ですから物産展は特産品の売りを伸ばすための強力なPRの場であるといえるでしょう。

 

新しいお客様を探すために、メジャーの域となっている安納芋をひたすら押すのではなく、次を狙える新商品をPRしていくというの、とても素晴らしいイベントだったとおもいます。 しかしここまで特産品トークをしながら、実はアイランダーというイベントはいわゆる物産展ではありません。

「聞いてみよう!島のくらし 話してみよう!島のじまん」をテーマとして開催。 今年はHPに「島の情報」として、名称、位置、人口などの基礎データや、自然・気候、島へのアクセス、情報通信インフラの状況などの情報を掲載し、「定住情報」として仕事、住居、教育環境や買い物場所・物価など、島で生活するにあたって参考となるような情報を掲載しました。(公式HPより)

ということでですね、これ「離島の振興を目的としたPRイベント」であります。 だから国土交通省が主催しているわけで、スポンサーも

■後援:内閣府・総務省・農林水産省・(財)小笠原協会・(公財)沖縄協会・(社)日本観光振興協会・離島振興対策協議会・全国離島振興協議会・都市と農山漁村の共生・対流推進会議(公式HPより)

という感じで全力で離島振興パワーあふれる面々であります。

島への移住相談コーナーや、島文化の紹介コーナーがたくさん

「いかにして島に活力を持ってくるか」ということを目的にしているわけですね。

そういう意味では、来場者12000人に対して「ウチの島はいいよ~!」という売り込みを行う、全国の離島のPRバトルでもあったわけです。

ちなみに、今回は同じサンシャインシティ内で「ニッポン全国物産展」という国内最強クラスの物産展が開催されていたため、そちらから流れてきた方もいらっしゃったのではないかなーと思います。 そういう方々にも「島の魅力」として少しでも種子島の事が伝わるとステキだなぁと感じた次第でありました。

【妄想】どうやれば島の魅力が伝わるか?

ちょっとばかり管理人の妄想を。 (ここから先は、アイランダーレポートと直接関係のない話が続きますので、島情報の方はここで戻るのがおすすめです!)

移住をゴールとした場合に、島の魅力をどのようにアピールしていくか

たいそうなタイトルなのですが、超簡単な話しです。自分がコミュニケーション系の仕事をしているのもありまして、ちょっと書いてみます(仕事じゃないので、簡素に)。

島を移住先として選んで考えてもらう事をゴールとした場合、当然ながら種子島を好きになってもらう必要があります。そしてそれまでのいくつかの段階があります。安納芋を食べたその日から、急に「種子島サイコー!移住したい!」なんて思ったり、意外と鹿児島本土に近いということを知ってから「ここに住むしか無い!」と思ったりはしないわけです。

■ブランドが形成されるまでの段階
1.存在を知る
2.特徴を知る
3.優れている点を知る
4.ファンになる

はい。書いてしまえば当たり前ですね。これは、島だけの話ではなくコミュニケーション(ブランド形成)の一般的な段階です。 安納芋だって・・・

■安納芋ブランドが形成されるまでの段階
1.安納芋っていう名前を知る
2.凄く甘いらしいという特徴を知る
3.クリームみたいな食感で、糖度が高すぎて蜜が噴き出る特別な芋だという点を知るor食べて実感
4.もう安納芋が一番だわ(´ε` )

という感じで、安納芋が強いブランドとして根付くわけです。

凄く甘いらしいと聞く→それだけでいきなり安納芋が一番だわ!とはならないのです。

自分で食べて「他の芋より凄い事がわかる」から安納芋がブランドになるわけです。(だからこそ試食が有効で、とにかく3を経験・理解してもらう事で4に持っていけるのです) これを種子島ブランドとしてあてはめると・・・島に住んでいる人でも、3番がなかなか綺麗に話がつながるように埋められないと思います。

芋から島のイメージに置き換えて考えてみよう

■種子島ブランドが形成されるまでの段階
1.種子島の名前を知っている
2.鉄砲伝来の地、ロケット基地がある島、サーフィンスポットとして知っている
3.—(超重要)種子島は●●な点が、優れている事を知った—
4.種子島は素晴らしいなぁ!

これ、なぜ島育ちでもなかなか埋められないのでしょうか?それは「島」という規模で、他と比べた事が無いからです。

上で出した1~4のうち、1と2は、島としての事実を語れば成立しますが、3の「優れている」は「他と比べないと」語ることができません。

当たり前ですが、島としての価値を「他の島や場所と比べたことがないと、優位性は語ることが出来ない」のです。

誰ならできるのか?

これが出来るのは「島外の目」を持って種子島を他と比べた事がある人です。 そうです。今、島に居る移住者。 いろんな地域の移住者に聞こう!みたいなイベントやメディアで「生活や仕事はどうですか?」「仕事はありますか?」「子供への影響は・・」など質問ありますよね。これはもちろん、とても大事です。 ただし、最も大事なのは「なぜ、他の島じゃなくて種子島にしたの?」ということです。

これが絶対にはずしてはいけないポイント。移住者向けの座談会などでも、絶対に語っていただくべきことです。

移住者への補助制度とか、職業斡旋とか、制度的な説明やフォローは島の人間でどれだけでも説明できますが「なにが良くて種子島にしたのか?」は、実際に決めた人じゃないとリアルに語ることができません。安納芋を食べたことがない人が、その甘さを語れないのと同じです。

これを伝えることで3が埋まり、種子島ブランドが成立する道筋が整うのです。

ということで、妄想まとめ

今回のようなイベントで移住先としてのPRをかけるとしたら・・・特産品紹介や自然環境の紹介に合わせて

■「移住者が案内する種子島」みたいなタイトルで「なぜ移住先にえらんだのか?」をまとめた読み物系の資料を作成して配布
■さらにNetで調べられるコンテンツとして、「移住者が案内する種子島」のWeb版(紙より登場人物が多い)を置き、詳細問合せ先として相談先窓口をリンクさせておく

という打ち手は、有効であると思います。 誰でも考えつきそうなアイデアだからこそ「なぜやるか」「何のためにやるか」を意識しておくことが、とても大事だと思うのであります。

移住者招致は全国との戦いだ

移住者の招致は限られた移住者マーケットの取り合いであり、他の離島との戦いです。

我が故郷の種子島が、離島の中で大人気の移住先となると、ステキだなぁと思う今日この頃です。

いやしかし、移住者に聞く「なぜ種子島を選んだのですか?」って、移住者が並んでると面白そうだなぁ。帰省したときにインタビューして、作ってみたいかも。 では、妄想失礼いたしました。夜も明けそうなので、このへんで(`・ω・´)ゞ

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