田舎暮らしに憧れて、いざ情報を集めてみると、「仕事は?」「住居は?」「サポートは?」「そもそもどんな場所?」などたくさんのことが気になってきますよね。
このページでは、移住前に知っておきたい情報を「鹿児島県の離島:種子島」の事例でまとめています。
先輩移住者に行ったインタビューからの「これは知っておくべきだった」も含まれているので、移住前のチェックリストとして活用してみてください。
移住前に調べておくこと:もくじ
- インフラレベルと将来性(→種子島の事例)
- 住居・賃貸の探し方(→種子島の事例)
- 仕事さがしの難易度(→種子島の事例)
- 移動手段の確認(→種子島の事例)
- 先輩移住者を探そう(→種子島の事例)
- 生活費を予想しておく(→種子島の事例)
- 家族移住と単身移住(→種子島の事例)
- 移住支援窓口の重要性(→種子島の事例)
まずはインフラレベルと将来性を調べよう
最初に考えておくべきはこれ。日本は世界屈指のインフラが充実した国ですが、決して生活インフラが均一なわけではありません。
たとえば下水道
2014年時点で全国をみても、人口で見て77%の普及率。国内の23%の人は下水道がない地域で生活をしています。地方に行けばくみ取り式のトイレも普通にありますので、そのあたりが無理な人は先に知っておくべきです。
医療インフラ・病院
脳外科や心臓外科は田舎にはあまり無いですし、定期ケアが必要な持病をお持ちの方は、透析や定期検査のためにちょくちょく遠出をしなければならないケースも。ペットと暮らしている人は、動物病院の存在も確認したほうがよいでしょう。
教育インフラ・塾・予備校
就学児がいる場合は教育インフラが重要です。受験勉強しようにも、塾・予備校がないケースはよくあります。知り合いの大学生に勉強を教えてもらおうと思っても、そもそも通える距離に大学や就職先が無いため、大学生はおろか、19歳以上の若者が周囲にいないケースもあります。
有名校への進学を目指す場合は、学習サポートが圧倒的に不足するので、しっかり考えておきましょう。
忘れちゃいけない将来性
これは評価が難しい所ですが「将来もその田舎はあるか」は忘れがちです。10年後、その地方の人口はどうなっているでしょうか。下水道も学校も病院も、人口が集中してる場所のほうが経済的にも安定しやすいですから、それを踏まえた上で移住先を検討することが重要です。
じつは、将来人口の予測は政府が「日本の地域別将来推計人口」という調査結果を公表しており、(見づらいですが)そこから市区町村レベルで読み取ることもできます。
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住居・賃貸の探し方を確認する
田舎では、不動産屋さんがあまり発達していない場合があります。どういうことかというと、そもそも不動産屋さんよりも近所の人のほうが家の情報知ってたりとかするんですね。
あと、田舎の場合、空き家でもあまり人に貸したがらない傾向があるのです。「親戚がいつか戻ってくるかもだから」「先祖代々の仏壇が置いてあるから」とか、理由はいろいろ。
実はこういう時に頼れる、お役所
移住受け入れに熱心な自治体の場合、移住者向けの相談窓口があり、住宅に関する相談もできます。ささっとネットで調べてみて、物件が出回ってなさそうなら、あらかじめ自治体窓口に相談しましょう。
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仕事探しの難易度を理解しておこう
これ、結構難しいです。というのも、基本的に「仕事が無いから田舎」なんですね。じゃんじゃん仕事があるなら、人が集まってくるので、田舎にならないわけです。
また、田舎ならではの第一次産業(農業・林業・漁業)があるじゃないか!と思っても、そもそも第一次産業には季節に左右される特性があります。つまり「収穫期だけ人が必要」「潮の流れが良い時期だけバイトほしい」とかになるので、常時雇用が結構きびしい。
そしてそういう臨時雇用部分は、近所の高校生やおばちゃんで席が埋まっていたりします。
これは現地の人に聞こう
仕事探しに関しては、地域ごとで全く状況が違うのと、ネット上にほとんど情報が出てこないため、移住支援の窓口や、先に移住している先輩移住者などに聞くのがもっとも信頼できます。
仕事探しだけは下見でも判断が難しいので、できるだけ情報を集めておきましょう
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移動手段の確認
想像がつくと思うのですが、田舎では車が必須です。電車でどこでもいけるのは都市部のみで、本当に「車が無いと何もできない」という状態になります。
「買い物に行くんだけど、最寄りスーパーまで3キロ」とか、普通にあるわけです。
また、就学児がいる場合は、そもそも学校まで5キロ以上とか普通にあり、自転車通学だったり、地域によってはスクールバスでどうにかなるなんてケースもあります。
同じ地域の中でも「どのエリアに住むか」で事情が異なります、GoogleMapで調べてみたり、現地でヒアリングすれば簡単に分かる要素なので、しっかり調べておきましょう
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先輩移住者を探そう
大体の場合、先に移住して定着している先輩移住者がいます。先輩移住者からの情報は、以下の観点で非常に重要です。必ず探しましょう。
- 都会ぐらしとの差を聞ける
- 地域の特異性を聞ける
- いざ自分が移住した時に、頼れる相談窓口になる
先輩移住者が自営業をでお店をやっている場合もよくあります。そういうケースでは、飲食がてらに相談できることもあります。
先輩移住者は行政ともつながる
また、地元への定着度が高い移住者は、行政からみても「理想的な移住者」であり、相談役として行政のイベントなどに顔を出しているケースがあります。そういう場所ではセンシティブな情報は聞きにくいですが、相談ルートを作るだけでも意味がありますので、積極的にチェックしておきましょう。
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生活費を予想しておく
よく「田舎暮らしでスローライフ=生活費少ない」を絶対の前提に考えているケースがありますが、いかなる場合もそうなるとは限りません。
以下の様な事が起こるからです。
- 自動車の維持費・燃料代が必要になる
- 田舎の中でも便利な地区だと家賃が都会と大差ない
- 光熱費が高い
- 野菜や魚が安いが、その他必需品が高い
特に必需品系について誤解が多い
「田舎は何でも安い」ではなく「田舎が生産地のものが安い」です。
大体の場合は「輸送・卸の影響」があって、例えば都会の野菜は、取り次ぐ農協や、田舎からもってくる輸送費や、スーパーで売る時の利益などが乗っているわけですけど、田舎は地元向けに売ればいいので、それがなくなるから野菜が安い。
となると逆に「都会や別地域からもってくる」ものは高いのです。
都会ならスーパーや100円ショップで安く買えるものが、田舎だと定額はあたりまえ。
この辺りを踏まえて、食費以外にかかわる現地物価を見て、ざっくりと試算しておくのはとても大事です。
「田舎にきたら、なぜか生活が苦しくなった・・・」は避けたいですよね。
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家族移住と単身移住の違い
これはいろんな事情がありますが、どうやら家族移住のほうが成功するようです。理由は人間関係です。
たとえば移住してしばらくは、知らない場所に放り込まれるわけで、人間関係でも不安な時期が出ますね。相談しようにも近くに知り合い居ないし。
そういう時に、夫婦で相談しながら上手く乗り切っている方が多いようです。確かに、夫婦ならどちらか先に良い友人を作れた方から、人間関係を広めて行けばよいのですから。
就学児童はプラス要素
就学児童がいる場合は、田舎では保護者同士のコミュニケーションが都会より多い傾向にあるため「クラスメイトの保護者つながり」が強制的に発生することで、仲良くなる機会が得られます。
あと、泥臭い話ですが、地元行政としても「夫婦や子供が来てくれるのは嬉しい」のです。行政にとっては、地元の活気が維持されることがとても重要なのですから。
ですので、ご家族での移住・Iターンを考えている場合は、慎重に検討した上で「家族移住」のほうが成功しやすいです。
だからといって単身移住がダメなのではありません。
単身の場合は「自分でなんでも決められる」というメリットがあります。家族移住だと、まず配偶者や子供の同意を取るの自体が結構大変だったりしますから、その心配がないのは強みですね。
人間関係が都会より重要な田舎暮らしにおいて、自らバリバリ動いて、現地の人とも仲良くなれるタイプの人なら、何も問題ありません。
逆に「ちょっと引っ越し」「人間関係をラクにしたいから」くらいの感じで、下調べしないでフラッと行くと、結局「思ってたのと違う」という理由で離脱してしまう事があります。
田舎暮らしの成功は、人間関係にかかっています。そういう点でみると家族のほうが「イベント発生」「相談相手」という意味で有利といった感じでしょうか。
【最重要】移住支援窓口があるか確認しよう
さて、ここまで読んで「結構大変だなぁ」と思われたのではないでしょうか?
そこで活躍するのが「移住支援窓口」です。
移住支援窓口とは、移住者向けの現地情報のやりとりや案内をしている組織の通称で、民間の窓口と、行政の窓口があります。
このページで書いているような事は、だいたい移住支援窓口に聞くと答えてもらえます。
ときどき、こういう窓口があることを知らず、いきなり現地に向かうケースも見られますが、旅行目的じゃない限りは、あまり効率が良くないのでオススメしません。
移住支援窓口の何が安心か
理由は簡単。行かなくても分かる情報や、現地の人のほうが知ってる情報は、先に聞いちゃったほうが効率的ですし、現地に下見にいく時に、移住支援窓口の人がガイドしてくれる可能性があるからです。これはとても安心。
どの地域でも「地域名 移住支援」などで検索すると、だいたいWEBで見つけられるので必ず確認しましょう。
また、行政や民間団体が移住支援イベントを開催しているケースもあり、離島だったらアイランダーというイベントに移住相談窓口の職員がいます。彼らは相談を受けるために出張してきているので、全力で相談できます。
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まとめ
いかがだったでしょうか。移住前に考える事、結構多いですよね。
でも、せっかく新しい場所に行くなら、素晴らしい人生が待っている方が嬉しいわけですから、できるだけ積極的に情報を集めていくべきです。
- WEBで調べられる情報
- 相談窓口で聞ける情報
- 先輩移住者の体験談
これらを上手に集めて、ぜひ、素敵な移住計画を!
「こんな要素も必要だから書いておくべき」などご指摘ありましたら、ぜひFacebook「種子島そだち」までお知らせください。